第一冊目 ヒューリックドリーム 参考図書
○タイトル ヒューリックドリーム (2)
○ジャンル 経営、組織論
○著者 西浦三郎(同社会長)
○発刊 2017年4月3日
○総ページ数 190p
○出版社 日経BPマーケティング
○Mipox対象者 管理職以上
○お薦め度 4( 1~5で5が最高格付)
○難易度 2(1~5で5が最高難易度)→肩がこらずに読めます。
○期待できる効果 成長企業(銀行の関係子会社の一不動産会社を一部上場させ10年で従業員859名、時価総額1000億円以上、一人当あたりの平均給与が1418万円、一人当たり経常利益3.2億の優良企業に成長させた実例をもとに、企業を成長させるためのポイントについて記述されており、Mipoxの今後の成長戦略でも活用できそうです。
●一言コメント
本日の日本経済新聞朝刊にも一面に「ヒューリック お台場のホテル2つめの取得、600億円で」という記事がでていました。いま一番成長力のある会社として注目をあびているヒューリックの成長の立役者の西浦会長がここ10年の成長ストーリーを生々しく語る本です。銀行の子会社で銀行員を転籍するための小さな受け皿会社だった脆弱企業を10年で三菱地所、三井不動産に次ぐ企業に成長させた背景として、粉骨砕身でリーダーシップを発揮したストーリーから組織論、リーダーシップなどいろいろ学べると思います。
●概要
・ヒューリックをここまで成長させた西浦氏の考え方のポイント
①「こうなるべきだ」という将来像を社長就任時点で明確に描いた。②施策の順番を意識し、まずこれをやるとこれが可能になり、次にあれができると+の連鎖を働かせた。③企業にとって、高収益の実現が何より重要であることを認識していた。④判断と実行のスピードを武器にして競争力を高めた。⑤事業をけん引できるプロを外部から迎え少数精鋭主義で 「や 生産性を高めた。⑥自分の考えを繰り返し社員に伝え、取引先企業とも価値観を共有して強い集団にしていった。⑦ 「やること」と「やらないこと」を決め、大手や同業他社との違いを明確にして、成長分野で半歩先を進んだ。⑧「こうなるべきだ」の根底に、社会や人の役に立ちたいという強い思いがあった。とくに成長の原動力なる社員を大事にした。
●引用
・企業の成長と社員のやりがい、トップは会社を変えられる
・社長就任時点で「こうあるべき」という将来像を描き、そこに至るために何が必要か、将来像に至るストーリーを組み立てることから始まった。そして「変革とスピード」をモットーとして実行してきた。・第三ステージの将来像は 大手三社に次ぐ地位の確立とした。
・社長就任時に作った企業理念
①倒産しない会社
②ガバナンス・コンプライアンス意識の高い会社
③税金を多く払えるように収益を上げる会社
④自己資本の充実した会社⑤バランスシートのきれいな会社 ・人事改革なしに格付取得や上場はありえない。・社員から挙がった問題がほぼ解決できたのは、アンケートの実施から3~4年後のことである。「社長アンケート」はその後も継続して年2回実施している。根気よく続いけると、次第に会社への不満は少なくなる。
・資格や経験を有するプロを迎えるにあたって、「プロ職」という枠を設け、専門能力に見合った給与を払えるようにした。・ヒューリックが不動産の買い手として存在感を増していった理由は大きく3つ
①投資対象を駅近くの物件に的をしぼった。
②判断の速さ
③確実な決済・ヒューリックは、注力分野と非注力分野を明確にする これは大手企業には資本力でかなわない中堅企業がリスクをとりながら成長するために欠かせない戦略 ・これから人口が減る中で恒常的に利益をあげるのは難しいと判断して、分譲マンションはやらないと決めた。(大手、中堅のなかでやっていないところはない。)
・インバウンドの環境需要を先取りして、ホテルや旅館の開発、買収をすすめ、高齢者人口増のニーズをとらえた老人ホームの建設や投資など、オフィスとは違う不動産需要の開発を心掛けた。
・社員の満足度を左右するのは①給与水準が高い(2016年度の社員一人当たり年平均給与は1418万円)
②フリンジベネフィットの充実
③働きやすいオフィス環境
④やりがいのある仕事 の4つの項目だ。・人の気持ちを動かすのに人事は大事だ。どうしたら社員が一生懸命働いてくれ雨量になるかは、常に考えてきた。
・先をよむための情報が十分にある市場は参入障壁が低く、他社との競争が激しくなる。だから情報が乏しい分野で先を読み、判断することが求められる。
・一人当たり経常利益が生産性の目安。(2016年度は一人当たり経常利益は3.2億円)
・大企業病を予防する方法はいくつかある。いたずらに売上規模の拡大を目指さないことだ。経常利益を重視してきた。経常利益を追求しても一定の人員増は必要だが、売上高を求めるよりは人員が抑制できる。・心構えや準備が重要であり、作戦に対して「念のゆくまで練りに練った案であるという自信をもっていたか」と問う。
・西浦三郎氏の仕事ぶりについて「成長へのあくなき挑戦」「計画や戦略を徹底的に詰める」「意思決定が速い」「自ら動く」「部下思い」などで形容される。
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