瞬発思考 参考図書
○タイトル 瞬発思考
○ジャンル 問題解決法
○著者 寺嶋直史(事業再生コンサル)
○発刊 2018年1月30日
○総ページ数 230p
○出版社 文響社
○Mipox対象者 全社員
○お薦め度 3( 1~5で5が最高格付)
○難易度 2(1~5で5が最高難易度)→肩がこらずに読めます。
○期待できる効果 現状把握が不十分なままの解決方法を探ることは無意味なことを改めて認識させられます。
●一言コメント
本書で伝えられている問題解決スキルのベースになっているのは著者のサラリーマン時代に習得した「瞬発思考」による問題解決力です。この本では仕事上での各種の問題や課題をどのような手順で考えればいいのかという「考える手順」を簡単に示しています。内容は平易で、日常の事例と解決法も記述されており、わかりやすい本で短時間で読めます。一番重要な点は現状把握を不十分にせずしっかり行うということが、問題解決策をさぐる基本中の基本だという点を強調しています。
●概要
「問題解決」に関する書籍で、問題解決の思考法のメカニズムと、その身につけ方を明記したものです。 そして本書を読むことで「問題解決力=どんな質問でも瞬時に的確に回答できるスキル」が書いてあります。 多くの「問題解決」の書籍で取り上げられているのは、分析ツールである「フレームワーク」の説明ですが、フレームワークはあくまで書面で行う分析ツールなので、いくらフレームワークを学んだところで、問題解決力を向上させる思考力は身につかず、問題解決力を習得するためには、実際に問題を解決するための思考法を身につけなければならないとといています。 本書のポイントは、「瞬発思考法」という、問題を即解決するためのたった1つの「思考法(思考の手順)」を「頭の中」で行う、つまり「思考を手順化する」ことです。 「問題解決力を習得すること」とは、問題を即解決できる「思考の手順(=思考法)を習得すること」としています。そして、その決まった思考の手順というのが、本書で紹介する「瞬発思考」です。 「デキる人」というのは、具体的には、「何を聞いても即座に的確に回答できる人」や、「様々な問題に直面しても、次々に解決して成果を出していく人」であり、それを実行するためのスキルが「問題解決力」と説明しています。つまり「問題解決力の習得」は、「デキる人」の必須条件と書いています。
●引用
・瞬発思考法(問題解決)の手順 ①現状把握→②問題発見→③原因究明→④ゴールイメージ→⑤具体策 ・現状把握があいまいなまま解決策を導き出すとくことは、モノづくりで、材料を切る、削るという加工をせずに組み立てることと同じです。また、料理で材料を切ったり混ぜたりせずに調理することと同じなのです。・すべては正しい現状把握からという基本はぜひ覚えておいてください。・ステップ①の現状把握はどれだけ正確に、かつどれだけもれなく把握できるかということ。・ありがちなのは、この現状把握に考え、思い、感想、期待、創造などがはいってしまうケースだ。・当事者に話をきいていると必ずと言っていいほど、これらの事実以外の事項が入ってきます。・問題点や原因は具体的になるまで掘り下げる。・ゴールイメージとは改善後の状態を頭に描くということ。つまり想像力を用いて、この問題解決がなされたあとの、望ましいイメージを描く。・仕事のできる人は常に頭にゴールを描いて仕事をしている。・問題解決はスキル。身に着けることが非常に重要。・いろいろな要素がまじりあった情報から事実だけを抽出になければならない。・問題が起こった時には、それに関連する情報を集め、そのあと不足した情報を自分から質問してとりにいくというプロセスが必要。・あらかじめヒアリング項目を決めておく。
・互いに自分軸で主張しあうと、それぞれ間違った意見ではないから、結局どんなに議論しても、いつまでたっても平行線になる。・対立したときの軸の作り方は、顧客にとって何が最適なのかを考えれば、自分の部門がよければいいというような独りよがりの意見はなくなる。・PDCAサイクルを回すためには①合理的に検討された計画・適正な検証・具体的な改善行動の提案と実施 が必須。 ・なぜコンサルティングのプロですら、判断ミスを犯すのか①複雑な状況にもかかわらず、現状把握を正確に行わない。②本質を見極めることを行わずに、把握した問題点の改善策だけに目が行ってしまう。③現状把握が不十分なままで全体を決めてしまう。・どんなに問題が複雑になっても、基本はやはり、正確な現状把握。・一環して伝えているのは、現状を正しく把握し、問題を発見し、原因を究明し、ゴールイメージを描き、具体策に落とし込むということ。
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