RPAの威力(48)

㊽RPAの威力

〇著者 アビームコンサルティング 安部慶喜

〇発刊 2017年11月1刷

〇発行 日経BP社

〇ジャンル AI・ロボット

〇おすすめ度 4

〇難易度   3

〇期待できる効果

RPAを導入しない企業は生き残れない、ロボットとともに働くオフィスは未来ではなく今ここにある という点の理解を得られ、RPAの進め方から成功ポイントまで学べ大変参考になります。(ポイント 数百万円の投資から始められる。導入企業は急増し数百社に。即導入!約半数が4週間以内にロボットを稼働)

〇概要

第一章 RPAの本質(なぜRPAが求められているのか?)

〇人間とロボットがともに生きる時代に

デジタルレイバーを採用せよ 増員せよ

ロボットに仕事を奪われる誤解

高速で正確な処理をいとも簡単に実現

社外情報の収集も得意

AIよりRPAが使われるわけ

〇働き方改革の大本命

日本の労働生産性は先進7か国で最下位

過残業でコーポレートリスク高まる

求められる真の働き方改革

〇採用企業は急増し数百社に

金融からサービス業、メーカーへと拡大

〇経営にすぐ効くKPI日付既効薬

半数宇が一か月で導入

97%が5割以上業務削減

正確性を担保でき、余力が生まれる

意識が変わり働き方が変わる「RPAの威力」

RPAを活用しない企業は生き残れない

第二章 進め方と成功のポイント(RPAを導入する際の注意点と対応策は?)

〇考えるより触れ

短いサイクル化に対応せよ

現場の情報の実業務で試せ

トップダウンに答えるボトムアップがカギ

〇業務部門とIT部門がタッグを組め

一定のルールのもとですみ分けて両輪で

システム部門の関与は構想段階から

セキュリティーは情報システム部門主導で対策を

〇運用ルール・体制を考え抜け

基幹システムの運用ルールは使えない

内部統制とRPA

トラブル時のリカバリーを想定

夜中もロボットに働いてもらう

〇現場を巻き込め

デジタル戦略の一環で、RPAは推進の第一歩

〇最適なツールを選べ

推奨はサーバ型で修正用意なタイプ

第三章 先進8社の取り組み

大和ハウス工業、農林中金、ブリジストン中国、帝人フロンティガ、アサツーディケイ、テレビ朝日、NECマネジメントパートナー、インテージホールディングス

第四章  RPAの将来像 ロボットはどのように進化していくのか?そして人間は・・・

〇進化するデジタル技術とのつなぎ役に

RPAはデジタルレイバープラットフォームに

プロセスイノベータを育成せよ

0から1を生み出し、人の心を動かす

ロボットの進化が人の真価を掘り起こす

〇引用

RPAはホワイトカラーが自ら行ってきた膨大な作業を削減することで、企業の飛躍的な生産性向上を実現する方法として着実に広まりつつある。

人がパソコンを使って行っていた事務処理をソフトウエアロボットが代わって行うのが、RPAの基本的な考え方。

ホワイトカラーは、自動化できる業務はデジタルレイバーに任せ、自らはより高度な業務にシフトしていくという働き方の一大転換期を迎えている。

ロボットはある一定のルールが確立されている定型的な業務や大量のデータを扱うため長時間かかる業務において正確性や処理速度を発揮することができる分野に適している。

企業の人事・経理、調達や営業事務といった従来は人間が行うしかないと考えられていた作業領域に変革が起き始めている。

AIは、人間がルールを教えなくても、大量のデータを学習、解析し、そこに潜んでいるルールを推論により自ら発見し定義することで作業を自動化していく。

RPAは人間が決めたルールどおりに動作するので、そのルールの範囲においては100%正しい結果を出してくる。とりわけホワイトカラーの仕事においては、いわゆる単純作業、小粒業務が大量にあり、投資対効果を考えた場合はRPAのほうがAIよりも有効である。

AIは特定領域の知的活動を支援・強化していくものであり人間のパフォーマンスを強化していく。RPAは、特定領域の作業を代替し、人間を作業の束縛から解放し、時間を捻出する。具体的には人間同士のコミュニケーションや過去の延長線上にはないアイデアの創出といった活動に専念するのである。

ロボットの導入期間(業務ヒアリング~導入完了までの期間)を尋ねた質問では、4週間以内に導入できたと回答した企業が実に47%にのぼった。さらに驚くべきことに、導入企業の97%が対象業務において5割以上の業務削減を実現したと回答していること。

導入の目的・効果を整理すると、・業務正確性担保(間違い防止)、競争力強化、業務の見える化、業務負担の削減、作業平準化、コンプライアンス(不正防止)、余力創出の6つに大別できる。

考えるより触れ 

今回の先進8事例の各社でも、最初は半信半疑で取り組んでいた人達が、今働き方を見直して新たな活用法を考え始めている。「この業務は本当に必要なのか?」「バラバラにやっている意味はあるのか?」「権限や規定も見直すべきではないのか?」「自社の業務改革のために取引先や顧客にもお願いしてみよう」これが人間の進化する力であり、真価なのである。

今後デジタルレイバーは真価を続けるだろう。しかし人間はそれ以上に真価を続けるに違いない。それこそが「RPAの威力」だ。

千一夜:ビジネス、趣味、健康などの参考図書についてコメントしていきます。

今後千回にわたり参考図書についてコメント、要約、引用などを投稿していきます。

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