AIまるわかり(50)

50)AIまるわかり


〇ジャンル AI・ロボット

〇著者 古明地正俊  長谷佳明 野村総合研究所

〇発刊 日本経済新聞社

〇おすすめ度 3

〇難易度   3

〇期待できる効果

研究・実用化の最前線さらなる技術進歩の展開、AIとの正しい付き合い方まで、世界の最先端を知る著者たちが解説しておりタイトルのとおりAIの概要が「まるわかり」できるとおもいます。

〇概要

◆最新のAIを駆使したソフトが、プロ棋士を打ち負かしたり、AIが関わった小説が星新一賞の第一次審査を突破したりと、AI(人工知能)という言葉を新聞で見ない日はありません。さらには、AIが金融や人事、教育などの具体的場面に登場し、ビジネスマンのみならず、一般の人の関心も高まっています。本書では、AIの全体像と世の中へのインパクトをコンパクトに解説します。

◆今回のAIブームは、正確には第3次ブームで、「深層学習」という技術がポイントになります。簡単にいうと「大量のデータからAIが自分で関係性や特徴を割り出し、判断・行動する」というもの。AIが人間の能力をこえるとされる2045年の世界を俯瞰し、AIに関する技術やそれによって起こるビジネス・生活上の変化について、いくつかの章を使って解説します。日本にとってこれからどんなチャンスがあるのかにも触れます。

◆著者は、野村総合研究所で同分野の調査にあたっているエキスパート。AIに関する類書は、その技術面にフォーカスを当てたものか、社会の変化をおどろおどろしく書いたものがほとんどで、全体像を解説したものはほとんどない状態。「話題のAIが何なのか、ざっくり知りたい」というニーズに応えます。

◆本書は、AI(人工知能)がビジネスや生活を一変させる全体像を、コンパクトに解説。「AIとは何か」より始まり、Siriやグーグルカーなど最先端の技術・サービスを紹介。金融・サービス・物流・医療といった各分野へのインパクト、AIを通して日本が進むべき道まで、幅広く理解できる内容。AIの導入による変革に取り組むビジネスパーソン、IT業界に関わる人はもちろん、AIの技術やその社会的影響に興味を持つ一般の人にとっても、わかりやすい入門書。

〇引用

2016年に歴史的な「事件」が起こった。グーグル傘下のディーブマインド社が開発したAIの囲碁プログラムAlphaGoが、世界トップレベルの実力をもつ韓国のプロ棋士9段に4勝つ1敗と大きく貸し越した。この偉業を達成したディープマインド社は、英国を拠点とするスタートアップ企業です。

ディープマインド社は次の3つの機能を駆使してアルファ碁を実現している。

① 次の1手の予測。具体的にはオンラインの囲碁サイトから6-9段の対戦記録約3000万手を学習した。。アルファ碁は強い棋士が次にどのような手を打つのかを高い確率で予測できるようになる。 ②最終手までの打ち手の予測を高速に行う機能 ③勝率の予測

東京大学医科学研究所では2015年からワトソンを活用しており、専門医師でも診断が難しいがんを、AIが短時間で見抜くという成果をだしています。

AIとは、その名の通り人間の有しているような知性・知能を人工的に実現する技術。

現在の機械学習を基礎とするAIを実現するうえで欠かせないものがビックデータ。3Vとは、ビッグデータのデータとしての特徴です。Volume,variety,velocityが3要素です。

AIの適用領域には、音声認識、画像認識、自然言語処理の主に3つがある。

長崎県のハウステンボス社が運営する「変なホテル」 受付や荷物の運搬といった従来は人が行ったいた業務をロボットに置き換えることで、人件費削減、深刻な人材不足というサービス業がかかえる大きな2つの課題解決を狙っている。

米国のベンチャー企業のさびオークが開発した自律配達ロボットリレー。リレーはホテルのルームサービスで依頼されたものを部屋まで運ぶことを目的として開発されたAI搭載ロボットで、すでにサンフランシスコなどの数か所のホテルで利用されている。

米国のベンチャー企業ブルーリバーテクノロジーがレタス栽培用に開発したトラクターがレタスボット。レタスボットは、農業用トラクターに農薬散布用のロボットユニットを取り付けたもので、カメラを内蔵し画像認識によってレタスの苗一つ一つの生育状況に応じた農薬の散布が可能。画像認識によって、苗加雑草であるかの判断、また苗が健全に生育しているか場合によっては間引き必要があるかを見極め、点での農薬散布を可能としている。すでに米国で生産されるレタスの1割はレタスボットによるものといわれている。

2016年東京大学医学研究所とIBMによる臨床研究において、ワトソンが提案した治療薬にもとづいて医師が判断し、治療方法を変更した結果、劇的な効果を上げ患者の命を救った。ワトソンに対して悪性リンパ腫や白血病などの血液腫瘍などに関する2000万件以上の研究論文、1500万件もの関連する治療薬の特許情報というデータを学習させた成果だった。

ワトソンのようなAIを使った解析が、血液検査や尿検査などのように基本的なツールとして普及し、医師の判断を助けるようになりうる。

クレディスイスは不正を感知するために、デジタルリースニングの採用を決めた。同社のソリューションである新セ氏酢は数百万にも上る電子メール、チャット、電話のつうわないようなどを自然言語処理技術統括部機械学習を使うことによって分析している。具体的には、社員が不正に関与している可能性があるような、怪しい言動や行動がないかをAIが随時分析します。

米国の大手法律事務所ベーカーホステトラーは、ロスインテリジェンス社のソリューションを使用し、同事務所の弁護士が、破産に関する法律のアドバイスを受けている。

多くの日本企業はAI技術の活用という観点では、米中と比べて周回遅れになっているという現実を認識しなければならない。

千一夜:ビジネス、趣味、健康などの参考図書についてコメントしていきます。

今後千回にわたり参考図書についてコメント、要約、引用などを投稿していきます。

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